あうとぷっと。

めも。雑記。

鑑別シリーズ〜血尿〜

 

 

 

 


総論

 

  • 腎糸球体、尿管、膀胱、尿道のどこからでも血尿になりうる

 

 

  • 下部尿路からの出血→赤い尿や凝血塊の混入、
  • 上部尿路からの出血→褐色になる

 

ことが多い

 

 

 

  • 無症候性の肉眼的血尿

→  膀胱癌 の評価のため、尿細胞診(早朝尿3回)、膀胱鏡、画像検査を実施する

 

 

 

  • 尿鮮血反応陽性で沈渣で赤血球を認めない場合

→溶血によるヘモグロビン尿や横紋筋融解症によるミオグロビン尿を考える

 

 

 

  • 蛋白尿を伴う場合や沈渣で赤血球の変形が認められる場合

→糸球体疾患を考え、腎生検

 

 

 

 


鑑別

 

腎梗塞

腎盂腎炎

腎外傷

 

膀胱癌

腎細胞癌

急性前立腺炎

糸球体腎炎


膀胱炎

腎尿路結石

尿路損傷

Goodpasture症候群

多発血管炎性肉芽腫症

IgA血管炎

慢性腎不全

 

 

 

 

 

 

 


各論

 

  • 膀胱癌

→高齢者の無症候性肉眼的血尿は膀胱癌を考え、必ず尿細胞診、膀胱鏡検査を実施

 

 

 

  • 腎細胞癌

→血尿、疼痛、腫瘤触知 が3徴

→兎にも角にも手術    化学療法、放射線には抵抗性

 

 

 

  • 腎梗塞

血栓症リスクありの患者さんで、突然の腰痛、側腹部痛

 

 

 

→膀胱刺激症状に発熱を伴う場合に疑う

→敗血症の確認も

 

 

 

  • 急性糸球体腎炎

→A群β溶連菌の先行感染後に

→補体低下

→血尿、蛋白尿、浮腫、乏尿、高血圧など

→対症療法

 

 

 

  • IgA腎症

→無症状で検査にて偶発的に発見されること多し

→先行感染の直後に顕微鏡的血尿

→IgAが上昇するのは半数程度

→診断は腎生検

 

 

 

  • 膀胱炎

→発熱なし

大腸菌によること多し

 

 

 

  • 腎尿路結石

→USで水腎症、KUBで結石の確認

 

 

 

  • 多発血管炎性肉芽腫症

→上気道、肺、腎(E、L、K)の順に症状発現

 

 

鑑別チャート

medikmediaより

 

f:id:mediput:20200324093919j:image

 

鑑別シリーズ〜腰背部痛〜

 

 

 

 


総論

 

  • 腰背部痛のほとんどは筋骨格系の良性疾患であるが、5〜10%はRed Flag Signを呈する疾患である


時間単位で対応が必要な大動脈瘤破裂、馬尾症候群

単位で対応が必要な骨髄炎、膵炎、腎盂腎炎

単位で対応が必要な悪性腫瘍の骨転位、多発性骨髄腫、脊髄腫瘍

 


など

 

 

 

これらを鑑別するために、

 

発熱

夜間・安静時痛

下肢の運動・知覚障害

排尿排便障害

その他の症状 

 

の有無を問診する

 

 

 

 

 

鑑別

 

腹部大動脈瘤破裂

大動脈解離

馬尾症候群

急性膵炎

腎盂腎炎

腎梗塞


悪性腫瘍の骨転位

多発性骨髄腫

化膿性脊椎炎


急性腰痛

腎・尿路結石

脊椎滑り症

椎間板ヘルニア

腰部脊柱管狭窄症

骨粗鬆症


膵体尾部癌

慢性膵炎

膵頭部癌

強直性脊椎炎

腎細胞癌

 

 

 

 

 

 

各論

 

 

→血管雑音、拍動性腫瘤

→US、CT

 

 

 

  • 馬尾症候群

→緊急の除圧手術

→腰背部痛では必ず膀胱直腸障害、下肢の運動障害の有無を聴取する

 

 

 

  • 骨髄炎

→安静時、夜間に認め、体動による増悪あり

WBCCRP↑赤沈↑、発熱はない場合も

→CT、MRIによる確認も    x線は異常出るまでに3週間くらいかかる

 

 

 

  • 悪性腫瘍の骨転位

→夜間安静時の疼痛

乳癌、前立腺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、肺癌なりやすい

X線で椎弓根の消失

 

 

 

  • 腎梗塞

血栓リスク

 

 

 

  • 腎尿路結石

→USで水腎症、KUB撮影で結石の確認

 

 

 

  • 椎間板へルニア

Dejerine徴候(咳やくしゃみで下肢痛が増悪する)

→神経学的初見とMRI

 

 

 

  • 腰部脊柱管狭窄症

→間欠性破行きたす疾患として閉塞性動脈硬化症との鑑別

→抹消動脈の診察(足背動脈、後脛骨動脈)

 

 

 

→高齢女性で亀背、身長低下、腰背部痛

→骨密度測定(DEXA)、脊椎X線

 

 

 

  • 慢性膵炎

X線で粒状石灰化、USでびまん性石灰化膵管結石、膵の萎縮

→二次性の糖尿病も鑑別

 

 

 

  • 強直性脊椎炎

→5%前後でCrohn病や潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患合併

ぶどう膜炎、乾癬、肺繊維症

→HLA B -27

 

 

 

  • 異所性妊娠

→必ず疑う、妊娠反応検査

 

 

 

  • 腎細胞癌

→血尿、疼痛、腫瘤触知

→手術     放射線、化学療法は抵抗性

 

 

 

鑑別シリーズ〜便秘〜

 

 

 

 

 

 

総論

 

 

  • 便の停滞
  • 停滞により水分が減少し、硬くなっていく

 

 

  • 原因により、器質性と機能性に分かれる


器質性

→大腸癌やイレウスによる腸管の狭窄によるもの

 

機能性

→薬剤(三環形抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、モルヒネなど)、

内分泌疾患(甲状腺昨日低下症、糖尿病など)、

電解質異常(高Ca血症、低K血症など)、

精神神経疾患(うつ病、Parkinson病など)、

過敏性腸症候群

など腸管の蠕動の低下によるもの

 

 

 

 

 

  • 緩下剤としてMg製剤を使用することが多いが、腎機能障害がある場合には高Mg血症をきたすことがあり注意

 

  • 刺激性下剤(ヒマシ油、センナ)を処方する際には、必ず機械的機能的閉塞がないか確認する

 

 

 

 


鑑別

 


大腸癌

イレウス


高Ca血症

低K血症

甲状腺機能低下症

過敏性腸症候群

痔核

うつ病

糖尿病

薬剤性便秘

 

 

 

 


各論

 

 

  • 大腸癌

→大樹減少、血便、便が細くなった など

→免疫学的便潜血反応 感度高く、特異度低い

 

 

→Blumberg徴候、筋性防御などの腹膜

症状や抹消血白血球の増加は複雑性イレウスや穿孔による腹膜炎の併発を考える

 

 

→腹痛は軽度で持続痛、腹部X線でniveau

 

 

  • S状結腸軸捻転

→基本的に大腸内視鏡による非観血的整復、腸管壊死あれば切除

 

 

→徐脈、嗄声、言葉のもつれ、顔貌などから疑う

→TSH計測、更年期障害との誤診注意

 

 

 

鑑別チャート

(medikmediaより)

 

f:id:mediput:20200321105637j:image

 

 

 

 

鑑別シリーズ〜下血〜

 

 

 

総論

 

  • 消化管全てからの出血が原因となる

 

  • 吐血と同様の病歴聴取を行う必要がある

鑑別シリーズ〜吐血〜 - あうとぷっと。

 

  • タール便を下血、鮮血便を血便と呼ぶ傾向にある

 

  • 原因としては、上部消化管出血の方が多い

 

  • 鉄剤の内服やイカ墨料理、赤ワインも原因となる

 

 

 

 

鑑別

 

上腸間膜動脈閉塞症

腸重積

上部消化管出血


潰瘍性大腸炎

大腸癌

大腸憩室出血痔核

虚血性大腸炎

大腸憩室炎

腸管出血性大腸菌感染症

大腸ポリープ

細菌性腸炎

 


など

 

 

 

 

 

 

各論

(腹痛のとこも参照)

鑑別シリーズ〜腹痛〜 - あうとぷっと。

 

 

 

  • 上腸間膜動脈閉塞症

血栓症リスク確認、突然の激しい腹痛、腹部の身体所見に乏しい(柔い)

造影CTとる

 

 

 

  • 内痔核

→便鮮血陽性の際に最も頻度が高い、直腸診で確認

 

 

 

  • Peutz-Jeghers症候群

→ポリープは食道以外の消化管に多発、小腸に最も多い

 

 

 

→回盲部、左側結腸に好発

→回盲部の場合、鑑別として虫垂炎潰瘍性大腸炎があるので、問診で同性愛や海外渡航歴など格リスクを確認

→診断は便中の嚢子

 

 

 

 

 

 

 


鑑別チャート

 


下血黒色便鮮紅色の吐血肝疾患食道静脈瘤破裂

             →頻回の嘔吐Mallory-Weiss症候群

             →喉のつかえ、体重減少食道癌

 

      →暗赤色、黒褐色の吐血心窩部痛+→体重減少→胃癌

                 →NSAIDs内服、ストレス胃十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変

 


   →鮮血便粘血便細菌性赤痢潰瘍性大腸炎、大腸癌、細菌性腸炎

       →イチゴゼリー状アメーバ赤痢、腸重積

       →新鮮血直腸癌、直緒裂傷、痔核

 

 

鑑別シリーズ〜吐血〜

 

鑑別


食道静脈瘤破裂

消化管穿孔


胃癌

食道癌

胃十二指腸潰瘍

胃食道逆流症

急性胃粘膜病変

Mallory-Weiss症候群

鼻出血

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 吐血とは

Treitz靭帯より口側の上部消化管からの出血による

気道出血、鼻出血、口腔内出血との鑑別

 

 

  • いずれにしても出血なので、循環動態の安定化と止血が最優先

→バイタルから出血性ショックが疑われるときには直ちに静脈路を確保し輸液、輸血

 

 

 

 

 

  • 誤嚥防止のために側臥位とし、頭低位、下肢挙上

意識障害を認める場合には気管内挿管により気道確保

 

 

  • 問診では、肝硬変や出血傾向に注意

 

 

  • 吐血の性状

→食道より口側では鮮血、胃より肛門側ではコーヒー残渣様の出血

 

 

  • 上部消化管からの出血が疑われる場合には、ルート確保し循環動態を安定させたのち、上部消化管内視鏡にて止血を行う

 

 

 

 

 


鑑別チャート


吐血鮮紅色肝疾患食道静脈瘤破裂

      →頻回の嘔吐Mallory-Weiss症候群

      →喉のつかえ感、体重減少食道癌

 

 

 

  →暗赤色、黒褐色心窩部痛+→体重減少胃癌

          →NSAIDs内服、ストレス胃十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変

 

 

 

 

鑑別シリーズ〜腹痛〜

 

 

 

 

腹部全体:

消化管穿孔

上腸間膜動脈閉塞症

急性腹膜炎

腹部大動脈瘤破裂

糖尿病ケトアシドーシス

イレウス


過敏性腸症候群

感染性腸炎


心窩部:

急性膵炎

急性心筋梗塞


胃十二指腸潰瘍

胃食道逆流

 

 

右季肋部:

急性閉塞性化膿性胆管炎

急性胆嚢炎


胆石症

 


左季肋部:

大動脈解離

急性膵炎


虚血性大腸炎


右下腹部:

異所性妊娠

精巣卵巣捻転

急性虫垂炎

ヘルニア

Crohn病

妊娠


腎・尿路結石

憩室炎

 


左下腹部:

異所性妊娠

精巣卵巣捻転

ヘルニア

潰瘍性大腸炎

妊娠


虚血性大腸炎

腎・尿路結石

 


その他:

IgA血管炎

膵頭部癌

慢性膵炎

ガストリノーマ

胃癌

肝膿瘍

Fits-Hugh-Curtis症候群

 

 

 

 


各論:

 

  • 消化管穿孔

→立位正面にて胸腹部X線撮影、free air無くとも症状が強ければ腹部CT撮影

 

 

 

  • 上腸間膜動脈閉塞症

血栓症のリスクありで突然発症の腹痛、しかし腹部の身体所見に乏しい、造影CT

 

 

→腹部の血管雑音、拍動性腫瘤認めたら腹部エコー、CT

 

 

→尿ケトン体、血中ケトン体高値

低血糖でも高血糖でも意識障害でるため、意識障害の患者さんには血糖値測定

→感染などのストレスが誘因となることが多いため、高血糖、脱水の治療と共に感染源の検索も行う

 

 

→Blumberg徴候、筋性防御などの腹膜刺激徴候や白血球上昇はイレウスや穿孔に伴う腹膜炎の併発が疑われる

 

 

→徐々に出現する悪心嘔吐、便秘、腹部膨満感

→腹痛は軽度で持続痛

→腹部X線でniveau

 

 

→排便による改善

→炎症性腸疾患の見逃し厳禁

 

 

 

  • 急性膵炎

→前屈位で軽減、患者さん丸まってること多い

→暴飲暴食、大量飲酒(8〜24時間前)による

→Cullen徴候、Grey-Turner徴候チェック

 

 

 

  • 急性胆管炎

→Charcotの3徴 発熱、黄疸、右季肋部痛

→+意識障害、ショックでReynolds5徴

 

 

 

  • 胆石症

→腹部エコー

 

 

  • 大動脈解離

→激痛、移動性、血圧左右差、高血圧、X線で上縦隔拡大

→疑ったら造影CT

→心エコーでタンポ確認

 

 

 

→血清下痢多い

→大腸癌見逃し

 

 

 

  • 大腸憩室炎

→大腸憩室 症 は一般的に発熱腹痛などなく無症状なので、腹痛を伴わない下血では憩室出血を鑑別にあげる

 

 

 

 

 

  • 精巣捻転症

→発症6時間がゴールデンタイム

→精巣上体炎との鑑別にはPrehn’s sign 精巣の挙上により痛みが増悪(陽性)=捻転症

 

 

 

 

  • Crohn病

→若年者で慢性下痢、体重減少、難治性痔瘻など

痔瘻、肛門周囲膿瘍のチェックも忘れずに

 

 

 

 

→二次感染予防で手洗い、消毒

→補液など対症療法

→腎障害(HUS)のチェックも

 

輸液を学ぶ人のために/和田孝雄 近藤和子

 

 

 

 

要点part2

 

 

 

 

  • 脱水症について。

マリオットの分類と古典的な分類でごちゃる

 

等調整脱水→Na減っていて水も減っている(同程度に)

低張性脱水→Na減っていて水もちょい減っている←Naが足りなければどうしても水が減るもの

高張性脱水→水減っている

混合性脱水→Na減っていて水はもっと減っている←低張性より水の減り具合が大きすぎるもの


→よく分からんけど分類がごちゃっていてわかりにくいし大事ではない 

Naが足りないと言えば、すぐに低張と考えてしまいがち…

 

 

 

  • より実践的な考え方

低張性だの高張性だのいうのは、血液をとってみた結果の話

水の欠乏とNaの欠乏のバランスの組み合わせで脱水症が起こると考えておく

 

 

 

  • マリオットによる水欠乏とNa欠乏の症状比較

Na欠乏の場合、浸透圧が下がったわけだから口渇はあまりない、しかし、循環障害は強いので倦怠感であったり立ちくらみはつよめ

尿量は浸透圧が高くなると減る(ADHで)、Na欠乏なら浸透圧がそこまで高くならないから末期まで比較的正常なんてことも

→尿量の減らない脱水症もある

尿中のNa濃度はNa欠乏で下がる

などなどあるが、分かりにくい…

 

 

  • より実践的な考え方

脱水症の主症状

 

1 細胞外液浸透圧の上昇→口渇、濃縮尿、精神症状

 

2 細胞外液量とくに間質液の減少→皮膚弾力性の低下、粘膜皮膚の乾燥、舌の容積減少、眼の落ちくぼみ、眼圧低下、ヒポクラテス顔貌

 

3 細胞外液量とくに循環血漿量の減少→頻脈、起立性低血圧、表在静脈の虚脱、体温低下、腎循環障害(BUN↑)

 

4 細胞内中毒による症状→頭痛、嘔吐、痙攣、意識障害←細胞内の水中毒による

 

これらがどういうバランスになっているか、どの症状が強めに出ているかなどを判断する

 

 

 

 

 

  • 重症度について。

0〜4%軽症

4〜8%中等症

8〜12%重症

 

考え方としては、まず、体液量としてどのくらい失われたか見て、

次にその液の状態はNaの濃い状態で失われた(ほぼないけど)のか、薄い状態で失われたのか見ていく

 

 

 

  • 投与量について。

軽症:維持量+補充量0〜1l

中等症:維持量+補充量1〜2l

重症:維持量+補充量2〜4l

(維持量2l)

 

 

 

  • 輸液剤種類4つ

等張:Na 154mEq/l、外科的Na補充液

1/2等張:Na 77mEq/l 、内科的Na補充液、1号液

1/3等張:Na 51mEq/l 、Na補充、維持兼用、2号液

1/4等張:Na 38mEq/l 、水補充、維持兼用、3号液

 

 

 

  • 輸液のコツ

維持輸液2l + 補充輸液の1/3

→維持輸液2lでかなり修正されるため1/3なんていう少量ずつでなんとかなる

(維持輸液 生食500ml、5%Glu 1500ml)

 


例えば、

中等症の脱水症に維持量2lと補充1lで3lを1/2等張(この場合は生食1500、5%Glu 1500ということ)で入れるとすると補充輸液の内訳:

生食x ml、 5%Glu y mlとして

→生食:500+x=1500 、5%Glu:1500+y=1500

 

つまり補充輸液としては生食x=1000ml、5%Gluy=0mlとすれば良い

こんな感じで計算していく

 

 

 

 

  • 点滴速度について。

目安は1秒1滴

→1分で3mlとなり、500mlの点滴で2時間45分かかる

 

→アイウエオで1秒測れるように練習する

 

→だいたい20滴で1ml

 

 

 

 

  • 簡易化すると

第0度 1ml/min 20滴/min 60ml/hr very slow 

小児、高張液

 

第1度 2ml/min 40滴/min 120ml/hr slow

維持輸液

 

第2度 4ml/min 80滴/min 250ml/hr moderate

維持+補充

 

第3度 8ml/min 160滴/min 500ml/hr rapid 

補充

 

第4度 16ml/min 320滴/min 1000ml/hr very rapid 

緊急輸液

 

第5度 32ml/min 640滴/min 2000ml/hr extremely rapid

緊急輸液

 

↑2のべき乗で覚える(1.2.4.8.16.32)

 

 

 

 

  • 時間尿について。

不感蒸泄ー代謝水700ml(1日)は、

分単位にすればだいたい0.5ml/min(700ml ÷1440min)

 

つまり、1ml/minで輸液していれば、尿量は0.5ml/minとなる

 

これを上の輸液速度の表っぽくしてみると、やっぱり2のべき乗(0.5 0.25 0.125)で整理して、

 

第-3度 0.125ml/min 7.5ml/hr 180ml/day

第-2度 0.25ml/min 15ml/hr 360ml/day 乏尿

第-1度 0.5ml/min 30ml/hr 720ml/day 正常少なめ

第0度 1ml/min 60ml/hr 1440ml/day 正常多め (ここから上は尿量の覚え方)

第1度 2ml/min 120ml/hr (ここから下は輸液速度の覚え方)

第2度 4ml/min 250ml/hr

第3度 8ml/min 500ml/hr

第4度 16ml/min 1000ml/hr

第5度 32ml/min 2000ml/hr

 

 

 

 

 

  • Kについて。

生体のKの98%は細胞内にあり、2%くらいが外に漏れてきた、と考える

 

1日量40mEq 、3g、1単位

 

安全域としては速度にして10mEq/hr、濃度にして40mEq/lてとこ

 

 

 

  • 栄養輸液について。

糖質:1g 4kcal

タンパク質:1g 4kcal

脂肪:1g 9kcal

アルコール:1g 7kcal

 


→輸液ではタンパクは、アミノ酸として入れる

→どうせ体内でアミノ酸に分解してから使うから

 

 

  • タンパク質は平均で16%の窒素を含む→100/16=6.25を 窒素係数 という

 

  • アミノ酸が結合する時に、結合水H2Oがとれてタンパク質になる→タンパク1gはアミノ酸1.23gに等しい

よって1gのNは6.25×1.23=7.7gのアミノ酸

 

 

E/T比、E/NE比…などなどあるが、

一番大事なのは NPC/N比(非タンパク性カロリー対N比)150〜200

 

つまり、脂肪と糖質によるカロリーとNの比のこと

 

1gのNあたり、150〜200キロカロリーの熱量をタンパク以外で摂取しないといかんということ

→いい状態でタンパクを入れてあげたい

アミノ酸をいくら入れたら、どのくらい他のブドウ糖を入れたらいいかを考える

→他のカロリーが少ないとアミノ酸が熱源として利用されてしまい、タンパク質が合成されない

 

 

 

 

  • 窒素平衡の例

N量10gが標準→タンパク量にして62.5g=約60gとして、

尿中に10gのNが排泄されたら、その92.5%は尿素の形で出ていく→尿が出ないとすぐ血中のN上がる

便にはその1/10の1g

皮膚とか垢、爪とかで失う分がさらにその1/10で0.1g

 

上3つ足すと11.1g→タンパク量にして6.25倍の68、69gくらい

体重60kgと考えれば1.16g/kg→だいたい1.2gプロキロとなり正常なタンパク摂取量と一致する

 

 

 

  • 高カロリー輸液では水電解質輸液に比べて水やNaの量がかなり多い

→高カロリー輸液の対象となる患者さんでは、一般にドレーンなどが留置されており喪失分が多いから+高張液による利尿作用があるから、

と考えられる

 

 

 

  • 暗記ポ

体重1kgあたりの電解質の投与量として覚える

→Naプロキロ2mEq 、Kプロキロ1mEq

 

最近はmEq からmmolが使われるように(荷電により変化してしまうから)

 

体重1kgあたりの電解質は、

Na  1~2 mmol/kg

K  1 mmol/kg

PO4  0.1~0.2 mmol/kg

Mg  0.1 mmol/kg

Ca  0.1 mmol/kg

 

 

 

  • トレースエレメントについて。

=微量元素→Fe,Cu,Zn,Mn,I,Fなど

 

mmolからさらに1/1000したμmolが使われる

 

 

 

 

 

  • カロリーについて。

kcal/kg    kcal/60kg

5      300 (ここから低カロリー食)

10     600 肥満食

15     900  肥満食

20     1200 臥床安静時

25     1500 座位安静時 (ここから標準食)

(30〜60を高カロリー輸液という)

30     1800 軽作業者  

35     2100 軽作業者

40     2400 中作業者 (ここから高カロリー食)

45     2700 中作業者

50     3000 重作業者

55     3300 重作業者

60     3600 アスリート

 

  • 寝てるだけでも1200キロカロリー消費する
  • 経口摂取だと、糖質70%、脂質20%、タンパク質10%って感じ
  • 高カロリー輸液だと糖質80%くらいになる(脂質10、タンパク質10)

 

 

糖質 10g/kg

脂質 1g/kg

タンパク質 1g/kg(アミノ酸換算)

 

 

  • 高カロリー輸液を中心静脈から入れるのは、浸透圧が高いから(糖のせいで)

→中心静脈なら血液量が多く浸透圧を薄められる

→抹消から入れると血管壁が障害されて血管に沿って腫れたり痛みが出たりして、最悪潰れてしまう

 

 

 

  • メイラード反応

→糖とアミノ酸の相性悪く、高濃度で接すると固まってしまう

→2バッグ方式だったりする

 

 

 

 

 

  • 高カロリー輸液の合併症について。

 

1カテーテル関連

感染症血栓、空気塞栓

 

2代謝関連

高血糖、浸透圧利尿、各種電解質欠乏、過剰、肝機能障害、高アンモニア血症、ビタミン欠乏、微量元素欠乏、必須アミノ酸欠乏

 

3絶食

胆汁うったい、消化管粘膜萎縮

 

4その他

胆石、尿路結石

 

など

 

 

 

 

  • 必要な検査とスケジュールについて。

体重 成人 週2回、小児 毎日

尿糖 テステープ 4回/日(6時間おき)

血糖 週2回

血算、BUN、Na、K、Cl、も週2回

Mg、Ca、P、アンモニア、ASTALT、Alb、TP、Fe、Cu、UIBC、Zn、は週1回

尿量、尿比重、尿タンパク、ケトン体、1日1回