あうとぷっと。

めも。雑記。

ラジエーションハウスからみる放射線科医vs.AI(人工知能)

放射線

 

 

読影に限って言えば、AIに求められる力とはマルチタスクを処理できる汎用人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)。

 

マルチタスクとはつまり、患者の年齢や既往歴、家族歴などを踏まえ、包括的に画像を見ること。

言い換えるなら、その患者の画像ごとに違うフィルターから見なければならないということ。

 

 

AGIの実現が難しい理由は3つ

1.学習させるための学習材料の準備が難しい

画像の中には学習素材として適さないものがある。例えば、生前の臨床診断と死後の病理解剖で最終診断が別の疾患に変わってしまう場合。

つまりAGIに正しい学習材料だけを提供できないということ。

 

2.良いビッグデータ電子カルテに存在しない

AGIがあらゆる状況に対応できるようにするためには大量の医学データに基づいて学習する必要がある。

電子カルテには画像が揃っており、その画像の診断レポートや経過に関する情報が記録されているが、放射線科医が考えた全てが残されているわけではない。

多くの場合、思考の最終結論であり思考過程そのものではない。つまり、思考過程そのものを与えることができない。

 

3.日常診療の重要な一部はAIが理解できる言語に置き換えることが難しい

たとえば、直感やひらめき。

 

AIの進歩はすさまじいものがあるが、放射線科という視点ではあくまでも診断補助のツールとしての価値があるくらいの認識でいいか…🤔