鑑別シリーズ〜下血〜
総論
- 消化管全てからの出血が原因となる
- 吐血と同様の病歴聴取を行う必要がある
- タール便を下血、鮮血便を血便と呼ぶ傾向にある
- 原因としては、上部消化管出血の方が多い
- 鉄剤の内服やイカ墨料理、赤ワインも原因となる
鑑別
上腸間膜動脈閉塞症
腸重積
上部消化管出血
大腸癌
大腸憩室出血痔核
虚血性大腸炎
大腸憩室炎
大腸ポリープ
細菌性腸炎
など
各論
(腹痛のとこも参照)
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上腸間膜動脈閉塞症
→血栓症リスク確認、突然の激しい腹痛、腹部の身体所見に乏しい(柔い)
→造影CTとる
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内痔核
→便鮮血陽性の際に最も頻度が高い、直腸診で確認
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Peutz-Jeghers症候群
→ポリープは食道以外の全消化管に多発、小腸に最も多い
→回盲部、左側結腸に好発
→回盲部の場合、鑑別として虫垂炎、潰瘍性大腸炎があるので、問診で同性愛や海外渡航歴など格リスクを確認
→診断は便中の嚢子
鑑別チャート
下血→黒色便→鮮紅色の吐血→肝疾患→食道静脈瘤破裂
→頻回の嘔吐→Mallory-Weiss症候群
→喉のつかえ感、体重減少→食道癌
→暗赤色、黒褐色の吐血→心窩部痛+→体重減少→胃癌
→NSAIDs内服、ストレス→胃十二指腸潰瘍、急性胃粘膜病変
→鮮血便→粘血便→細菌性赤痢、潰瘍性大腸炎、大腸癌、細菌性腸炎
→イチゴゼリー状→アメーバ赤痢、腸重積
→新鮮血→直腸癌、直緒裂傷、痔核