鑑別シリーズ〜便秘〜
総論
- 便の停滞
- 停滞により水分が減少し、硬くなっていく
- 原因により、器質性と機能性に分かれる
器質性
→大腸癌やイレウスによる腸管の狭窄によるもの
機能性
内分泌疾患(甲状腺昨日低下症、糖尿病など)、
電解質異常(高Ca血症、低K血症など)、
精神神経疾患(うつ病、Parkinson病など)、
など腸管の蠕動の低下によるもの
- 緩下剤としてMg製剤を使用することが多いが、腎機能障害がある場合には高Mg血症をきたすことがあり注意
- 刺激性下剤(ヒマシ油、センナ)を処方する際には、必ず機械的機能的閉塞がないか確認する
鑑別
大腸癌
高Ca血症
低K血症
甲状腺機能低下症
痔核
糖尿病
薬剤性便秘
各論
- 大腸癌
→大樹減少、血便、便が細くなった など
→免疫学的便潜血反応 感度高く、特異度低い
- 複雑性イレウス
→Blumberg徴候、筋性防御などの腹膜
症状や抹消血白血球の増加は複雑性イレウスや穿孔による腹膜炎の併発を考える
- 麻痺性イレウス
→腹痛は軽度で持続痛、腹部X線でniveau
- S状結腸軸捻転
→基本的に大腸内視鏡による非観血的整復、腸管壊死あれば切除
- 甲状腺機能低下症
→徐脈、嗄声、言葉のもつれ、顔貌などから疑う
→TSH計測、更年期障害との誤診注意
鑑別チャート
(medikmediaより)